心不全の発症リスクと改善方法

 

心不全と聞くと以前は「心臓が急に止まってしまう病気」という認識でした。心臓は全身に血液を送るポンプの役割をしている臓器です。このポンプの働きが低下して全身に必要な血液を送ることのできない状態を心不全と言います。全身に必要な血液を送ることができなくなるため、身体の様々な部分に異常がでてきます。

 

心不全になると十分な酸素を含んだ血液が体を流れないため息切れや疲労感に襲われます。また十分な血液が流れないため、細い血管のある手足の先や耳たぶ・頬までいきわたらず冷たくなり赤みがなくなります。

 

また血液の流れが悪くなると手や足などにむくみが生じます。肺に水がたまると十分な酸素が取り入れられないため息苦しくなり呼吸困難に陥ります。急激に体重が増えた場合などはむくみが見られないか注意してください。

 

子供からお年寄りまで年齢問わずかかる病気で、高齢者は加齢により心筋や心臓弁の機能が落ちる病気を併発していることも多くリスクが増します。心不全発症患者は増加傾向にあります。

 

心不全は心筋梗塞、心筋症・弁膜症・高血圧などを併発していることが多く、中でも糖尿病患者の心不全リスクは高いため調査・研究が行われています。

 

糖尿病とは膵臓から分泌されるインスリンの量が少ないため、血液中の血糖値を下げる事ができず血糖値が高くなる病気です。
糖尿病は心不全の他、慢性腎不全や網膜症など様々な合併症を引き起こす厄介な病気で、血糖値のコントロールが重要なことから血糖降下薬が使われます。

 

血液中の余分な糖を尿として体外に排出するSGLT2阻害薬や、インスリン分泌を上昇させるDPP-4阻害剤などが処方されます。これにより食後の血糖をコントロールできるようになりました。

 

しかしこのDPP-4阻害剤が心不全を引き起こすのではと危惧されているためこの二つの関連について研究が行われています。
心不全には急に心臓の働きが落ちる急性心不全と、長い年月をかけて落ちてくる慢性心不全とがあります。

 

急性心不全と慢性心不全とでは治療の方法が異なってきます。

 

急性心不全になった場合は直ちに入院、酸素吸入を施し心臓の働きを高める薬を使用し、安静を要します。原因に過労やストレスや風邪があげられることが多いようです。

 

慢性心不全の場合は心臓の状態に合わせた薬物療法が標準治療となっています。心不全の状態によりウォーキングなど適度な運動も行います。また心不全は心臓の働きが低下した状態ですから、その働きを低下させた原因となる病気の治療が必要となります。
治療には重症度により治療戦略が立てられ、効果を診ながら治療を進めていきます。

 

慢性心不全の予防は心不全を引き起こす心筋梗塞・心筋症・糖尿病・高血圧などの疾患を早期うちにしっかりと治療することが大切です。その他に禁煙や塩分の摂り過ぎに注意する、肥満にならないように体重管理を行う、適度な運動を行うなど健康的な生活を心掛けましょう。